ウイルスの特徴

ノロウイルスは、1968年に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者の糞便から初めて検出されました。その後2002年の夏に、国際ウイルス命名委員会によってノロウイルスと名付けられました。
ノロウイルスはヒトに対して嘔吐、下痢などの急性胃腸炎症状を引き起こします。特に秋口から春先に発症者が多くなる冬型の胃腸炎・食中毒の原因ウイルスで、ヒトからヒトへの感染力が強いことも特徴です。二次感染により集団感染に至るケースもあります。
ノロウイルスは現在、医療機関の検査によって特定された食中毒の原因物質として大きな割合を占めており、近年の厚生労働省の統計では事件数・患者数ともに常に上位となっています。
原因となる食品
ノロウイルスに汚染された水や食品、特に牡蠣、アサリ、ハマグリ、ホタテなどの二枚貝が多く報告されています。
しかし、過去のノロウイルス食中毒の調査では、約7割で原因食品が特定できていません。
ウイルスに感染した食品取扱者を介してさまざまな食品が汚染されるケースが多いためです。
主な症状
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛です。通常、これらの症状が1〜2日続いた後に治癒し、後遺症はありません。ただし子供や高齢者では重症化することがあります。
潜伏期間
10数時間〜数日(平均1〜2日)