公開日:2023年11月06日
清掃・洗浄の環境を整えるコツ
食品工場は、作業室内を衛生的に保つ必要があります。「片付けがされていない」、「整理整頓がなされていない」と、清掃・洗浄作業の効率も低下してしまいます。また、散らかっていると清掃・洗浄がしにくくなり、その場所が汚染源になったり、異物混入を引き起こすことになりかねません。
とはいえ、環境を整えるためのコストとスタミナは最小限におさえたいですよね。
そこでこの記事では、清掃・洗浄しやすい環境を構築するための実践的な方法をご紹介します。
まずは整理整頓が前提
清掃・洗浄しやすい環境構築の前提は、整理整頓です。
ものが多かったり、使用したものが床にちらばっていたりすると、清掃の前に片付けを行うワンアクションが発生してしまい、効率が悪くなります。
できるだけ効率良く清掃に移行できるように、普段から整理(区分と廃棄)、整頓(定位置保管)を実践することが大事です。
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・⾷品衛⽣5S①「整理」「整頓」について
・⾷品衛⽣5S②「清掃」「清潔」「しつけ」について
清掃・洗浄しやすい環境づくりのコツ
実践のキーワードとなるのは「かくすよ!すき間」。
これは「可動」「空間」「横ばい」「すき間」の頭文字を並べたものです。具体的にどういった意味があるかご紹介します。
・「か」=可動させる
台など、取り付けられるものにはできるだけキャスターをつけるのがおすすめです。設備や備品を可動しやすいようにしておくと、清掃もスムーズになります。
・「く」=空間を作る
機械や設備と床や壁のすき間といったわずかな空間には、汚れがたまりやすく掃除しにくいため汚染源となりがちです。機械や設備を設置する時は、床と壁から15cm以上の空間をとるといいでしょう。これだけの空間を作っておくと、ブラシやモップを差し込んで掃除がしやすくなります。
・「よ」=横ばいをなくす
パイプ・ケーブル類などが横ばいになっているとホコリが溜まりやすくなり、清掃頻度が高くなります。また、束ねたケーブル類や、床を這ったケーブル類があると清掃がしにくくなります。
ケーブル類などは天井から真下に落とす形で設置すると、ホコリだまりができにくくなり、ベストです。機械や設備への電源供給なども、できれば天井から降ろすようにしましょう。
・「すき間」=すき間を埋める
すき間は様々な所にありますが、すき間を埋めるか、清掃がしやすい程度の空間を確保するようにしましょう。
ロッカーの上はホコリがたまりやすいので、異物混入のリスクにも繋がります。すき間を埋めれば、清掃が不要となります。また、ホコリが落ちやすいように上部に傾斜をつけたり、天井に密着させたりするのも手です。
壁と配管はすき間をしっかりと埋めることで、清掃に必要な頻度を下げられますし、逆にすき間を埋めない場合は、壁と配管の間に空間を作って清掃しやすくしましょう。
作業上で必要ないなら、シンクのオーバーフローも埋めるのがおすすめです。オーバーフローのホース内部の洗浄を気にする必要や、臭気が漂うようなこともなくなるので安心です。
洗浄剤・用具も見直し
清掃・洗浄しやすい環境を整えることができたら、さらに、もう一歩踏み込んで洗浄剤や用具も見直しましょう。どんなに良い洗浄剤や用具をそろえていたとしても、汚れや材質・場所に適していなければ、十分な効果が得られません。
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そこで、清掃頻度を含めたマニュアルを作成し、共有・ルール化することも清掃・洗浄の効率化には必要なので検討してみましょう。特に発泡洗浄を取り入れると洗浄作業の効率化が期待できますのでオススメです。
おすすめコンテンツ:「食品工場内における洗浄作業の効率化について」
また、清掃をするのがむずかしいような高い場所については高所清掃用具(CIPブラシなど)を使用することも検討してみてください。
ライオンハイジーンからのご提案
まずは清掃・洗浄しやすい環境を構築してみましょう。これだけで清掃・洗浄の効率化が実現します。また、製品の安全性・品質向上はもとよりコストダウンも期待できるでしょう。
清掃・洗浄全般に関するご相談は、当社までお気軽にお問い合わせください。現場の環境に則した洗浄剤、清掃・洗浄方法などのご提案をいたします。
参考文献:FOODS DESIGN_ http://www.foodesign.net/