感染とは何か?
その原因は?
など、感染症の基本について解説

「感染」「感染症」とは?

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私たちは、微生物とともに生きています。健康な人でも、皮膚、口や鼻の中、のど、気管、胃腸、尿道などに様々な微生物がいます。これらは常在菌と呼ばれ、その多くが人に何の害を与えることなく、種類によっては消化や生理的な働きを助けてくれています。しかし、中には人の身体に害をもたらし、病気を引き起こす微生物や寄生虫もいます。これらを「病原体」といいます。環境中(大気、水、土壌、人を含む動物など)に存在する病原体が人の体内に侵入し、発育又は増殖することを「感染」といい、その結果、全身・消化器・呼吸器・皮膚症状といった、何らかの臨床症状が現れた状態を「感染症」といいます。

感染成立の3要素を知る

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感染症は、感染源、感染経路、感受性宿主と呼ばれる3つの要素が揃うことで感染します。
要素1:感染源
病原体を含み、感染の原因となるものを「感染源」といいます。様々な感染源をすべて突き止め、1つひとつ取り除くことが対策となります。
要素2:感染経路
病原体が新たな宿主に伝わることを「伝播」といい、どのように伝わったのかを「感染経路」といいます。感染経路を特定し、断つことが対策となります。これが、最も有効な対策といわれています。
要素3:感受性宿主
感染を受ける可能性のある人を「感受性宿主」といいます。身体の抵抗力を強くすることが対策となります。

「感染源」となり得るものは?

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どのようなものが感染源となるのでしょうか?まず、病原体に感染した人(感染者)・動物・昆虫です。具体的には、感染者や感染動物などからの排泄物・嘔吐物・血液・体液などが感染源となります。
さらに病原体で汚染された物や食品も感染源です。感染者や感染動物が物や食品に触れ、病原体で汚染すると感染源へと変貌します。また、食中毒の事例でよくみられるように、食品の原材料が、もともと病原体に汚染されている場合もあります。
これらの感染源を取り除く手段として、隔離や消毒・殺菌などがあります。ただし、症状が現れない不顕性感染者がいることもあり、隔離のみでは十分な対策とならない場合があります。

主な「感染経路」について

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病原体が人間に侵入することで、はじめて感染が成立します。そのため、感染経路の遮断は、最も重要な対策となります。主な感染経路として以下の4つがあります。
① 接触感染(ノロウイルス感染症、MRSA感染症、疥癬など)
皮膚や粘膜の直接的な接触や、手、ドアノブ、手すりなどの表面を介しての接触で病原体が付着することによる感染のことです。なお、ノロウイルス感染症のように汚染された手指などが口や粘膜に触れ、口から体内に侵入して感染する場合は、(食品を介さない)経口感染として取り扱われることもあります。
② 経口感染(食中毒)
病原体に汚染された水や食べ物を食べることで感染します。これはいわゆる「食中毒」ともいいます。なお、 化学物質(農薬など)や自然毒(キノコ、フグ)による食中毒は、病原体が原因ではありませんので、感染症には分類されません。
③ 飛沫感染(風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、レジオネラ症など)
会話やくしゃみ・咳などをしたときのしぶき(飛沫)を介して感染します。飛沫とは、直径0.005mm以上の粒子をいいます。飛沫は、1~2mの範囲で床に落下します 。
④ 空気感染(結核、麻疹など)
飛沫の水分が蒸発した飛沫(飛沫核)が空気の流れにのって空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染します。飛沫核とは、直径0.005mm未満の粒子をいいます。

「感受性宿主」とは?

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感受性宿主とは、いわゆる感染しやすい人のことです。
感染症は、誰もがかかる可能性があります。かかりやすさには個人差があり、例えばかかりやすい人として、抵抗力の弱い人(高齢者・乳幼児など)、日常的に感染症と関わる可能性がある医療従事者・介護スタッフなどが挙げられます。
重症化や合併症を引き起こす可能性の高いグループのことを「ハイリスクグループ」といいます。例えばインフルエンザの場合、一般的に抵抗力の低い高齢者、幼児、妊婦がハイリスクグループといえます。持病がある方も要注意です。持病の種類によっては、治療の経過や管理の状況次第でインフルエンザに感染すると重症化するリスクが高いと判断される方もいます。とくにイラストに示した持病がある方々は、手洗いの励行、うがい、人混みを避けるなど感染しないように注意を払い、周囲の方々も感染させないように配慮することが重要です。
さらに、抵抗力が非常に弱くなると、普段なんともないような病原体に感染し、病気になることがあります。これを「日和見感染症」といいます。

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